ただの「棒っきれ」であそぶ我が家の犬。

我が家のミックス君は、散歩が大好き。毎日の散歩は、晴天日はもちろん問題ないのですが、、雨でも雪でも関係なく喜んではしゃぎまわります。特に、童謡の歌詞ではありませんが、雪の日は大喜びでそれに着いていくこちら側は大変です。黒い犬が、いつの間にか雪をまとって白くなるくらいに一生懸命に遊びます。そんな彼には、もっと楽しく遊んでもらおうと、様々な犬用のおもちゃを与えてきました。ペットショップはもちろん、知り合いの愛犬家からの情報も仕入れて、お勧めを与えてきました。

えり好みする訳でもなく、一通り与えたおもちゃで遊んでくれるのですが、そんな中、彼が最も頻繁に遊んでいたのは、近所で散歩のときに自分で拾ってきた何の変哲もない「棒っきれ」でした。口にくわえては、首をビュンビュンと振りながら、その「棒っきれ」を飛ばしては、自分で走って行って拾ってくることを一生懸命に楽しそうに何度も繰り返すのです。そのためか、いつの間にかその「棒っきれ」は、独特の色合いと言いますか良く言うと風合いのようなものが出てくるほどに変化していました。

何が楽しいのか全く理解できませんでしたが、そのほかのどのおもちゃよりも熱心に遊んでいました。一度、意地悪く別のその辺に落ちている木の枝を与えてみましたが、見向きもせずに、いつもの「棒っきれ」で遊ぶのです。どのように識別しているのか分かりませんが、はっきりと同定出来るようです。彼に限らず、動物は自ら工夫して遊ぶ道具を見つけることが出来ます。

どうと言うこともないありふれたつまらないと思うようなものでも、上手に自分にとってどうすれば楽しく遊べるかを見出しながら、試行錯誤することが得意なようです。今では、その主を失った彼の最高のおもちゃであった「棒っきれ」は、彼の歯型でギザギザになり、見るも無残な姿となってしまいましたが、これまた主のいない年季の入った古びた手作り犬小屋の前にポツンと置かれたままになっています。