家族で愛したヨークシャテリヤチロウ

家族で犬を飼うきっかけは、祖父の家に生まれたヨークシャテリヤをもらったことでした。
親犬はチビという名前でシルバーの毛色がキレイで気の強い父犬でした。
母犬はリリというブラウンの毛色でポッチャリ、おっとりした犬でした。
親犬を可愛がっていたこともありその子犬をもらうことに何の抵抗もありませんでした。父と母がつけた名前は私と兄の名前を組み合わせた名前をつけました。

名前は「チロウ」私と兄に今日から弟ができたね。と話したことを今でも鮮明に覚えています。
チロウは見た目は気の強い父犬に似てキレイなシルバーの毛色でしたが、性格は母犬に似ておっとりとした雄犬でした。
悲しい顔をすると寄り添ってくれ、家族でワイワイしていると真ん中にすっと入ってくるような子でした。

家族が出掛けようとすると必ず玄関まで見送り、帰ると玄関でお出迎えしてくれます。芸は一つ、二つしかできなくても誰に教えられたわけでもないこの芸が一番の特技でした。
私達家族と15年の月日を過ごしていたある日、特技を披露するのも困難で歩くのもやっとという老犬になりました。
しかし、その日は家族全員を玄関までお見送りしました。家に帰るとチロウはお空に飛び立っていました。

家族全員で、今日のお見送りは最後に特技を見せたかったんだね、誉めてあげたいね。と涙しました。
その頃も家族は仲良しだったものの、兄の反抗期もありなかなか口を聞かない状況でした。
兄がチロウの思い出をたくさん語り涙していた姿を今でも忘れません。
チロウがいなくなってからもチロウを通じて家族の会話が増え更に絆が深まったように思えます。
おじいちゃんの家にチロウを連れていくと親犬に甘えるチロウ、犬にも親がいて会える喜び、親犬に対するチロウの姿を見て私も犬も気持ちは同じだと感じたことを幼い頃体験しました。
チロウにはたくさんの家族の愛を伝えられたし、幸せな気持ちで空に飛び立ってくれたと今でも思っています。

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